輪島での漆器の生産は古くまで遡ると考えられる。同じ能登半島の三引遺跡(七尾市)からは6800年前の漆製品が発見されている。輪島では平安時代の遺構である屋谷B遺跡で漆製品が発掘されている。

輪島塗の特色を備えたものとしては、山地を挟んで輪島の南側にある穴水町の西川島遺跡群御館遺跡(室町時代前期)で珪藻土を下地に用いた椀が発掘されている。現存する最古の輪島塗は、室町時代の大永4年(1524年)作と伝わる重蔵神社(じゅうぞうじんじゃ、輪島市河井町)旧本殿の朱塗扉といわれている。

現在のような輪島塗の技術が確立したのは江戸時代前期の寛文年間と伝えられている。能登半島北端にある輪島は北前船などの寄港地であり、この時期には既に海運の利を生かして販路を拡大していた。また陸路での行商もおこなわれており、堅牢さが評判の輪島塗は日本各地で使われていた。沈金の始まりも江戸中期の享保期、蒔絵は江戸後期の文政期に入ってからである。

関係年表

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